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むし歯やケガなどで歯冠の一部が失われたとき、その部分を詰めたりかぶせたりして、元の形と機能を取り戻す治療を『歯冠修復治療』といいます。

歯は人間のほかの器官と違って、身体が修復してくれて治るという事はありません。
治療をしないかぎりは進行する一方なのです。
初期の治療であれば削る範囲も治療中の痛みも少なくてすみます。

ぜひ虫歯の治療はお早めに!!


初期のむし歯の場合、患部が小さなものは、むし歯になった部分だけを削り、その部分に修復材料を詰める『充填』によって元の形に治します。
充填する材料はコンポジットレジン』という光で硬化するペースト状の硬質プラスティック材を使用します。
コンポジットレジンは非常に操作性に優れているので、削る箇所も最小範囲で済み、光で硬化させるため治療時間も短時間で済ませることができます。
前歯や、歯と歯の隣り合った面にできるむし歯の修復はとても難しいものですが、コンポジットレジンによってきれいに治すことができます。
虫歯は早く見つけて治療すれば、削る箇所も少なくて治療も早く終わるのです。
日ごろからの定期健診で、虫歯の早期発見を!

虫歯の部分だけを最小限に削り、ペースト状のコンポジットレジンを充填後、光に当てて硬化させます。
最後に形を整えれば終了です。
治療時間も短く、治療箇所も白く小さいため目立ちません。




むし歯で欠けた部分がもう少し大きく深い場合は、欠けた部分を削り、その部分と同じ型に合わせて金属やセラミックで作るインレーをはめ込んで修復します。
インレーはどの部位の歯にも使える修復方法です。
 
保険治療では金属を使用し、セラミックインレーは自由診療での治療になります。

材質は、
●保険治療:金12%配合パラジウム合金(金12%、パラジウム20%、銀 約50%、その他)
●自由診療:金、白金、ハイブリッドセラミックス、セラミックス




むし歯が進行して歯髄まで侵されると、歯の歯冠部分はぼろぼろになり、コンポジットレジンの充填やインレーをはめ込む方法ではもう修復することはできません。
このような場合、歯髄の状態を調べて適切な処置をしたあと、歯全体を覆う形態のクラウンをかぶせて元の形と機能を取り戻します。
前歯部と臼歯部で保険適用の内容が違いますが、条件がそろえば保険でも白い歯が入れられます。
 
材質は
●保険治療:金12%銀パラジウム合金、ハイブリッドセラミックス(条件により)
●自由診療:金、白金、ハイブリッドセラミックス、ジルコニア
 
さらに審美的な自由診療の処置をご希望の方は、担当の歯科医師か歯科衛生士に、お気軽にご相談ください。

保険治療で使用される「金12%配合パラジウム合金」です。(金12%、パラジウム20%、銀 約50%、その他)
自由診療のジルコニア冠です。




虫歯は勝手に治ってくれません。
ほったらかしにしていた虫歯は、歯を溶かすだけには収まらす、その根っこの骨まで進行してしまいます。
 
長期間の根っこの治療(根管治療)で、私たちも歯を残せるよう全力を尽くします。
しかし完治の見込みも無くなってしまったら、歯を残しておくことは不可能になってしまいます。
 
出来る限り歯を残したのですが、このようにどうしても不可能になってしまった場合、抜歯して空いた部位に『入れ歯』もしくは『ブリッジ』での補修になります。
どちらも保険治療での補修が可能ですが、ブリッジでの治療は両隣の健康な歯を削らなければならず、入れ歯は審美面で劣ることや毎日のお手入れの必要があります。

虫歯は進行すると、根っこの神経から土台の骨まで溶かしていきます。
ここまで進行してしまうと、根っこの治療に長期間かかり、その甲斐なく抜歯になってしまうこともあります。
このようになってしまう前に、ぜひ定期健診で虫歯の早期発見を!






何らかの理由で歯がなくなってしまった場合、そのままにしておくと、他の歯のバランスが崩れ、噛み合わせが悪くなり、食事がしづらくなるだけでなく、偏頭痛や顎関節症といった身体への不調も現れてくる場合があります。
 
この場合の治療法では多くが『ブリッジ』という補修治療になります。
ブリッジとは、歯が無くなってしまった部位の両側の健康な歯を足場にして、橋を架けるように人工の歯で補修します。
保険治療で出来ますので費用は抑えられますが、両側の健康な歯を削らねばならず、また噛む力(咬合圧)を今までよりも少ない歯の本数で補わらなければいけないので、残った歯への負担が大きいのが欠点です。
足場にしていた残った歯も弱くなり、のちに抜歯しなくてはいけなくなる可能性もあります。
 
入れ歯」という選択肢もありますが、見た目の問題や、毎日のメンテナンスが必要になります。
 
その他の選択肢として『インプラント』という治療法があります。
自由診療になりますが、他の健康な歯を削る必要がなく、元と同じように噛める、なにより見た目がキレイなどいった利点が多く、日々の生活への支障が非常に少ない補修法と言えるでしょう。

このように両側の健康な歯を削って「橋の足場」にします。
保険治療で使用されるの材料は、インレーやクラウンと同じ「金12%パラジウム合金」です。







日本には皆保険制度があるので、どなたでも保険治療を受けることができます。
しかし財政の面からみても保険治療には限界があり、高度な医療、また高価な材料は自由診療での扱いとなってしまいます。
 
ここで歯冠修復治療での保険診療自由診療の違いについてお話させていただきます。
 
虫歯治療で使われる銀歯は、金12%配合パラジウム合金(金12%、パラジウム20%、銀 約50%、その他)で作られます。
この他、銀合金やアマルガム合金(水銀)も使われています。
いずれも長期的には色の変色や、身体に有害な物質も排出されたり、また金属アレルギーにもなりやすいため、先進諸国では人体に使用禁止となりつつある金属です。
 
そこで最近になって条件によっては保険治療でも「白い歯」が入れられるようになってきました。
CAD/CAM 技術を用いて削り出す、ハイブリッドセラミックスという材質で作られます。
硬さはセラミックとプラスチックの中間くらい。金合金にも似た硬さで他の歯も痛めません。
金属アレルギーの心配や、審美的にも他の歯と似た色なので気づかれることも少ないでしょう。
 
欠点もあります。
保険で使用される白い歯は金属より割れやすかったり、食べ物などで着色しやすかったり・・・
いすれにしても保険治療には限界があるのが現実なのです。
 
もっとキレイな口元にしたい、強度を強くしたいという方には自由診療での補修をお勧めしています。
 
CAD/CAMの技術を使って、ジルコニアという材質のブロックを削りだしたものを使用します。
ジルコニアは人工ダイヤモンドとして一般に宝飾品として使われているので、ご存知の方も多いかと思います。
 
歯科で使われるジルコニアは「安定化ジルコニア」といって、通常の宝飾品として使われるジルコニアよりも強度と靭性(粘り強さ)に優れ、割れづらく天然の歯も痛めません。
また天然の歯に近い透明度で、色も多数ありますので、患者様の歯の色に合わせたジルコニア人工歯を入れることができます。
欠点は保険診療に比べて高価であるという点です。
 
保険治療と自由診療、どちらにも利点と欠点があります。
患者様には利点と欠点をよく理解していただいたうえで、ご自身の気に入った歯を使っていただきたたいと願っております。




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